2011/01/10(月) 22:05:19
[霞ヶ関・天下り問題] 霞ヶ関に屈服した菅内閣<1>

菅政権の「公務員改革」のやる気のなさを国会審議の場で堂々と批判し、仙谷官房長官から「恫喝(どうかつ)」された経産省エリート官僚の古賀茂明氏(55)。古賀氏は霞ヶ関きっての「改革派」として知られる。なぜ、菅内閣で「政治主導」が進まないのか、なぜ「公務員改革」が必要なのか聞いた。
人事で“政治主導”を縛らないのが間違い
―――民主党は「政治主導」「脱官僚支配」を掲げて、政権に就いたはずでしたが、菅内閣はすっかり官僚に取り込まれてしまいましたね。
「全くの私見ですが、官僚といきなり事を構えるのはよくないという計算が働いたとしても不思議ではありません。財務省と全面戦争をするのはやめようという判断をしたのでしょう。官のなかで“頼れる”のは、やっぱり財務省だからです。昨年9月の政権交代直後の概算要求の見直し、3カ月という短期間での予算編成、さらに、事業仕分けもあった。これらを成功させ、政権交代をアピールするためには財務省に協力してもらわなければできない。全面戦争はまずいことでしょう」
―――財務省は、藤井裕久大臣が代わった頃から本格的に攻勢に出た。菅財務相(当時)は、2月のG7財務相会合でポツンと一人孤立したり、自民党の国会質問に答えられず立ち往生したり、財務官僚がサボタージュしたのか、恥のかきっぱなしでしたね。
「真相はわかりませんが、そうしたことを経験すると、なおさら、これは財務省を敵に回しては何もできないと考えたとしても不思議ではありませんね。消費税発言の頃は完全に取り込まれたとも言われましたが、そういう背景もあったのかもしれませんね。民主党の失敗は、政権交代直後に“政治主導”を進めるための人事をやらなかったことです。民主党は、幹部職員には全員辞表を書いてもらう、と言っていたはずなのに、結局、実行しなかった。もし、この政策をやりたいから協力して欲しいと役人に求めたうえで、日付を空欄にした“辞表”を預かり、成果が上がらない場合は日付を埋めて辞めてもらうようにしていれば、いまのような事態にはなっていなかったはずです」(つづく)
[インタビュアー] ジャーナリスト・BS11キャスター 鈴木哲夫
※古賀茂明 1955年生まれ。麻生高、東大法卒。80年に通産省入省。事務次官の登竜門とされる大臣官房課を経て、産業組織課長など中枢を歩む。前公務員改革事務局審議官。現在は大臣官房付。
【改革官僚が語る~霞ヶ関に屈服した菅内閣】より
(日刊ゲンダイ 2010/12/20 掲載)
貴重な意見を語っています。
全6回、全部掲載する予定ですのでお楽しみに(~o~)
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2011.01.11 | URL | 半造 #FXbBe/Mw [ 編集 ]