2011/01/04(火) 21:58:12
[霞ヶ関・天下り問題] 郷原信郎氏~ムダ飯食いの「岡っ引き」は地方で「現実」を学べ
検察改革元年~腐敗の楽園を変える近道
リーク情報の氾濫、調書デッチ上げ、証拠改ざん、冤罪……。2010年ほど検察の在り方が問われた一年はなかった。年が開け、検察改革「元年」となるか。検察組織の課題を指摘し続け、法相第三者機関「検察の在り方検討会議」の委員に選ばれた郷原信郎氏に抱負を聞いた。
「パライダイス(楽園)――。日本の検察制度を調査した米国人の著書にある言葉です。この本では日本の検察内部が抱える問題が詳しく指摘されているのですが、当の検察は、どこ吹く風。組織が腐敗しているとは全く考えていない。司法クラブなどの“従軍記者”から「最強の捜査機関」などとおだてられ。「裸の王様」状態だからです。
閉鎖的で、説明責任も果たさず、ガバナンス(統治)機能もない……。世の中で最も遅れた組織が検察です。増え続ける複雑な事件に対応するには、社会に目を向け、もっと敏感でなければいけない。しかし、内部で自己完結しているから適応できないのです。
証拠改ざん事件という、組織を根底からひっくり返すようなスキャンダルにも、検事総長が「信頼回復が私の責務」と居座ったのが、いい例です。民間企業のトップであれば即刻、辞任でしょう。常識では到底、あり得ない話です。
そんな検察を改革をするにはどうすればいいか。提案したいのは、人事や組織体制の見直しです。特に個々の検事が能力を発揮できる仕組みが必要。今は上司の「筋書き」に沿って、現場が手足のように動く。このトップダウンの仕組みを現場中心に変えるのです。
具体的には、東京や大阪の特捜部検事を地方の検察庁に分散する。そもそも、ひとつの部署に30~40人の“岡っ引き”を抱えても仕方がありません。それよりも、地方に人員的な余裕をつくり、検事がルーティンワークだけでなく、日常的に捜査現場に出られる態勢に変えるのです。現場に出て社会に接する機会を増やせば、独自のネタをつかむ可能性も高くなります。
決裁システムの改革も必要でしょう。検察捜査はこれまで、何重もの決裁を経て信用性が担保されている―と信じられてきた。しかし、証拠改ざん事件で“神話”は崩壊。捜査内容を把握しているのは現場の数人で、後は単に決裁を繰り返していたことがバレた。捜査機関には、ピラミッド型の霞ヶ関組織は向きません。ムダ飯を食べている中間層を削り、現場を厚くしたほうがいいのです。
「検察の在り方検討会議」は、設置した柳田前法相が辞任。方針は官邸も理解していると思いますが、民主党政権がおかしくなれば会議の存立基盤がどうなるか。
しかし、少なくとも私が委員になった以上、他で見られるような御用学者会議のように、お茶を濁すようなことはしないし、やらせません。
▽ごうはら・のぶお 1955年、島根県生まれ(55歳)。東大理学部卒業。83年、検事任官。東京地検検事などを経て、広島地検特別刑事部長、長崎地検次席検事、東京高検などを歴任。名城大学教授。
(日刊ゲンダイ 2010/12/29 掲載)
法相を兼務する仙谷官房長官の更迭も近いということだし、いっそこの方を法相にすればいいですが、菅政権ではそんな抜擢人事は望めないでしょう…。
なぜこんな組織になってしまったのか。年末に連載された「霞ヶ関に屈服した菅内閣」。菅政権の「公務員改革」を国会で批判し、仙谷官房長官から「恫喝」された改革官僚の古賀茂明氏の特集記事と相通じるものがあります。後日掲載したいと思っています。
※蛇足ながら、郷原氏、古賀氏、いずれも昭和30年生まれで私と同い年。忸怩たる思いです。
それにしても、小沢さんに辞任を迫った菅首相にはあきれます。失敗を恐れ、責任転嫁も平気。自分が生き残ることしか頭にない自己保身もここまでやれば立派―というもの?バカタレが!!
◆とうとう東京で“菅隠し”が始まった (1/04)
◆樋渡前検事総長 退職金9000万円国庫に返せ (12/18)
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本日発売のゲンダイ一面トップの書き出しです
2010年は国と国民にとって、正念場の年になりそうだ。政権が壊れ、誰も経験したことのないような不況が鮮明になり、国際的な緊張が高まり、戦争前夜のような様相になっていく。これらは予測ではない。確実に起こることだ。国民は“覚悟”が必要なのである。続きは本紙を…↓m(__)m
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2011.01.05 | URL | 半造 #FXbBe/Mw [ 編集 ]