2009/01/02(金)
[世相] ギスギスする職場の元凶は氷河期係長だった!
20代社員のやる気をそいでいる
受けても受けても内定ゼロなんて学生が続出した「就職氷河期世代」の彼らも30代半ば。ちらほら“管理職デビュー”し始めた。ただでさえ減ってきているポストに抜擢されるぐらいだから、相当優秀なのだが、「職場がギスギスする」と部下の評判は悪い。“氷河期係長”は文字通り、氷のように冷たいようだ。20代社員のやる気をそいでいる
「景気の冷え込みで、ウチの部門でも急速に受注できなくなっています。だったら訪問件数を増やすしかないと、しらみつぶしに営業かけていたら、氷河期係長はあっさり『打率が上がるか、ちゃんと考えて回ってる?無駄な仕事したってしょうがないだろ』と。言いようってあるじゃないですか。少しは頑張りも評価してほしいですよ」
そう愚痴るのは、人材派遣会社の営業マン、Aくん(25)だ。
Aくんはこの後、氷河期係長から別室に呼び出され、係長が完璧なエクセルさばきで作った「顧客別売上シート」を見せられたという。訪問回数と受注件数の相関関係の低さについてコンコンと説明されたうえ、「25歳で、その働き方はないだろう。おまえのやっていることは、営業じゃない。単なるあいさつ」と、バッサリ切り捨てられたそうだ。
就職難をくぐり抜けてきた、できる氷河期世代の「正論」が、20代の若手社員のやる気をそぐ。「出はなをくじかれちゃう」嘆く20代も少なくない。
専門商社の営業マン、Bくん(24)もそのひとりだ。
「課の会議で、『ネット広告を出稿したいから、ピンポイントで客が食いつく仕掛けを考えろ』と言われたんです。いくつかアイデアを出したら、『うわ、くっだらね〜』なんて満座の中で恥をかかされた。『じゃあ、こんなのは?』って対案を出したら、『悪くないけど、予算的に無理。ちゃんと考えて、もの言ってる?』と一蹴された。やる気も失せますよ」氷河期係長がやって来る前のBくんの上司は、バブル世代。とりあえず意見を言えば、「いいねぇ、悪くないよ〜」「おもしれ〜じゃん、それ」なんて具合に、豪快だったそうだ。やる気にもなった。ところが、今の氷河期係長はクール。
「それが最終目的とどうつながるの?説明して」「どうせ上につぶされるよ、無理!」
文字通り、冷や水を浴びせて終わり、ああ言えばこう言うタイプの上司だから「職場の雰囲気がギスギスして、もう会社に行くのが憂鬱(ゆううつ)です」とBくん。
クールな「正論」で出はなくじく
メーカー人事マンのCくん(26)も“被害者”のひとりだ。部の祝い事で屋形船に乗ることになった。
「ボクら20代は乗ったことがないから、割と楽しみにしていたんです。けど、ウチの氷河期係長は乗る前から『チエッ、屋形かよ、仕事が終わんね〜よ』『おまえら2次会は行くんじゃねえぞ。船が戻ったら、会社に戻ってひと仕事するからな』とブツブツ。しらけちゃいます」
そのくせ、バブル世代の次長がカラオケで少年隊の曲を歌い始めると、係長はバックダンサーもやる。
「『おい、おまえらも一緒に踊れよ!』なんて怒鳴られちゃった。そんな踊り、知らないって。最新曲なんて歌おうものなら、「『部長にも分かるように選曲しろ、バカ!』ですから」とCくんは涙目だ。
アフター5までクールで抜け目がない氷河期係長だから、「頼りなくても陽気なバブル世代の上司のほうが、まだましですよ」(出版・25歳)なんて声も聞こえてくる。
「斜に構える習慣が抜けない」
自身も氷河期世代の元富士通人事マン、作家の城繁幸氏が言う。

「われわれ氷河期世代は、人数が多いうえ、入社後も同期が少なく、雑用を一手に押しつけられ、過剰労働してきた。新人時代からずっと不況で、努力しても華々しい業績をつくることもできなかった。そんな境遇ですから、斜に構える習慣が抜けないし、心のどこかで、『会社も上司も頼りにならない、頼れるのは自分だけ』と思っています。われわれにすれば、今の20代前半は、売り手市場で入社し、同期も多く、豊富な研修制度も受けて、甘やかされているふうに見える。仕方がないんですよ」
とはいえ、正論だけでは部下は動かない。「イケイケドンドンのバブル世代が本当にうらやましい。一緒に熱くやりたいんですけど、どうしても氷河期係長に遠慮しちゃうんです」(アパレル・24歳)
職場がギスギスするのも当然か。
(日刊ゲンダイ 2009/01/12 掲載)
思えば、私はこんな氷河期係長タイプだったかもしれない。「何やってんの!」「バカじゃね〜の!」を連発していた。フォローもしてきたつもりだけど、それでついて来れないなら話しにならないと思っていた。そうやって鍛えられてきたし…。
しかし、“バブル世代”も“氷河期世代”も問わずこういうタイプはいるもの。あなたの職場にもいますか?

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